第六十二回守谷中学校入学式 学校長式辞

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式辞

世界規模での新型コロナウイルス感染症拡大という、人類史上稀に見る事態に見舞われている中、茨城県教育委員会、守谷市教育委員会の御指導を仰ぎながら、守谷中学校第六十二回入学式が挙行できますこと、心から嬉しく思い、御礼申し上げます。 
 百三十三名の新入生の皆さん、御入学おめでとうございます。皆さんの御入学を在校生並びに教職員一同、心から歓迎いたします。皆さんは今日から守谷中学校の生徒です。制服の着心地はいかがですか。中学校の制服に身を包み、中学校生活への期待や意欲が胸一杯にふくらんでいることと思います。これからの皆さんの活躍が楽しみでなりません。中には不安を抱いている人もいるかもしれませんが、大丈夫です。皆さんの周りにいる上級生は優しく親切ですし、先生方も優しく情熱溢れた先生方ばかりです。分からないことがある時は遠慮しないで何でも聞いて下さい。きっと分かりやすく教えてくれるはずです。新たに始まる中学校生活は,船に乗って大海を進んでいく航海に例えると、決して凪で静かな海を進んでいくようなことばかりではなく、強風の中、大きな波に飲まれそうになることもあるかも知れません。そんな時、チーム守谷中、チーム守中という仲間たちが皆さんを救い、寄り添ってくれるという、そんな中学校でありたいと、教職員、在校生は思っています。新型コロナウイルスの感染拡大の終息が見られない今,我々ができること,我々が我慢しなければいけないことをしっかりと確認し,気持ちを一つにして団結することを大切にする時期であると思います。必ず明るい未来が待っていると信じ,今,この時に夢や希望をしっかりともってほしいと思います。

 守谷中学校の校訓は「高くあれ 深く究めよ より高く」です。この校訓の下、皆さんの先輩方は文武両道の精神で何事にも一生懸命取り組み、数々の素晴らしい伝統を作ってきました。本日ここに入学した皆さんが、そうした本校のよき伝統を受け継ぎ、自分や集団のよさや可能性を輝かせながら、実り多い中学校生活を送ることができるように、三つのことをお話しします。
 一つ目は「夢をもつ」ということを大切にしてほしいということです。人は苦しい時や辛い時でも夢があるからこそ乗り越えようとする力が湧いてくるのだと私は思います。その夢を実現するために、何を身に付けなければならないのかを考え、行動してみてください。私の教え子で、まさに夢に向かって努力した人のお話をします。私は二十年ほど前、彼が中学三年生の時に担任をしました。体の小さい彼の夢はプロ野球選手になること。彼は野球に対して真剣に向き合い、努力を重ねました。高校、大学、社会人になっても野球に真剣に取り組みました。
 ピッチャーとして頑張っていた彼は、いつ挫折してもおかしくないほど、何度もけがに見舞われ、ボールも触ることができないほどの状態も経験しました。しかし、彼はプロ野球選手になるという夢をあきらめず、努力を重ね、2010年に東北楽天ゴールデンイーグルスにドラフト二位で指名され、見事プロ野球選手となりました。
 彼は、美馬学という選手で、2013年、日本シリーズで巨人を倒し見事日本一に輝き、活躍が認められ、日本シリーズのMVPに選ばれました。その時すでに彼は三回もけがによる手術を経験していました。彼は夢をもって、努力を重ねて栄冠を勝ち取りましたが、同時に周りの人に感謝する気持ちもしっかりと持ち続けました。五年前に六回目の手術をして、翌年3月末に見事勝利した彼の背番号は、今は亡きお母さんの誕生日である一月五日から取った十五番。私は、夢をもち続け努力し、人に感謝する気持ちを大切にしている彼を、尊敬しています。一昨年、千葉ロッテマリーンズに移籍した彼は、見事十勝をあげ、チームを牽引しました。彼は、今でも中学校時代と変わらぬ雰囲気で私と連絡を交わしてくれる小さな大投手です。私は引き続き、努力を重ね夢を実現している彼を応援したいと思います。
将来の夢がまだ明確に決まっていない人や、まだ遠い先のことだと考えている人は、夢の前段として先ずは目標をもって生活してほしいと思います。一つ一つの目標を更新し積み重ねる先にあるのは夢なのです。
 二つ目のお話は「人や物を大切にし,常に思いやりの心をもって生活して欲しいということです。学校は、いろいろなよさや思いをもった仲間がいます。そんな仲間同士が、助け合ったり,フォローし合ったりして生活していくのが学校です。そこで大切になってくるのが「思いやりの心」です。「思いやりの心」には、自分も他の人も、ともにかけがえのない人間であるという気持ちを大切にしてください。皆さんが,人間愛に満ち溢れた人として大きく成長してくことを心から期待いたします。
 それからもう一つ、「真実の瞬間」を大切に という言葉を、送りたいと思います。何気ないコミュニケーションの一つ一つ、その一つ一つで人は救われ、喜び、又は苦しみ、悲しみます。一瞬一瞬の、その真実の瞬間を、丁寧に、大切にしていくことが、人間社会においては求められると思います。是非、意識して生活してください。
 最後になりましたが、保護者の皆様、本日はお子様のご入学、誠におめでとうございます。お子様がよりよい中学校生活が送れるよう教職員一同、全力で指導に当たってまいります。守谷市では平成二十五年度より「世界で輝く人づくり」をテーマに保幼小中高一貫教育「きらめきプロジェクト」を推進しております。「学びのプラン」や「家庭学習のてびき」による学習習慣・生活習慣の確立、小中高合同での「きらめきフォーラム」、小学六年生が進学する中学校に出向いて一日を過ごす「一日交流教室」など、県内外からも高い評価を得ています。今後も、「確かな学力 豊かな心 健やかな体をはぐくみ将来の夢に向かって努力できる生徒の育成」を目指し推進してまいります。令和元年度より実施している守谷市学校教育改革プランを醸成させ、健やかな生徒の育成に努めてまいります。今年度は学校教育改革プランの進化系として、「未来の教育もりやビジョン」を展開してまいります。プラン1.学び方改革 プラン2.働き方改革 プラン3.もりや心の教育 プラン4.学校生活改革 を進めていきます。しかし中学時代は心が大きく揺れ動く多感な時期でもあり、時には心配になられることもあるかと思います。そのような時こそ学校と家庭とが連携していくことが非常に大切です。どうか保護者の皆様の御協力と御支援をいただきますようお願い申し上げ、式辞といたします。


令和四年四月七日
  
守谷市立守谷中学校長 越智 壽雄

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