チーム守中コラム〜技術〜紙

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 私たちの身のまわりの紙や布について考えてみました。折り紙やハンカチなどからも分かるように、紙や布は実に簡単に折れますが、折った跡は折り目となって残ります。他の素材、例えばプラスチックなどでは、元に戻ろうとする力が強く働くので、こうはいきません。当然、折り目はつかないし、無理に折ろうとすると、ポキッと割れてしまいます。
では、なぜ紙や布は折り目かつくのでしょうか。

 紙は、たくさんの繊維か繋がり合ってできていますが、折ると、そのときの力によって、繊維は変形し、つながりがこわされます。その後、一部の繊維は大気中の水分を吸収して、再びつながります。変形し、ゆがんだままの状態で繊維同士が結び付くことによって、折り目が残るのです。この性質を利用して、紙を折って保管したり、形を作ったりすることができます。ただし、一度折り目が付いたところは、変形してしまっているので元には戻りません。一方、同じように繊維でできている布は、折り目が付いてもアイロン等をすれば元に戻ります。布は繊維のゆがみだけで折り目が付いているので、アイロン等で再び整えてあげると元に戻るのです。

 このように、身近なものの性質を科学的に知ることはとても楽しいです。また、身近なものの素材等の発展の裏には、大学等での基礎研究の成果が隠れています。多くの研究者が基礎研究に従事しています。その方たちの努力が、今の人類の進歩を支えているのです。感謝して生活したいものです。
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