チーム守中コラム〜信じる

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 女優の芦田愛菜さん、昨夜のテレビCMでめっきり大人となった姿を見て、あの子役の頃とは違う、大人の雰囲気を醸し出しているなぁと感心してしまいました。彼女は、上手な演技もさることながら、頭脳明晰で熱心な読書家としても知られています。そんなことを頭の中で考えていると、ふっと昔の記憶が蘇ってきました。

 2年ほど前の映画の試写会か舞台あいさつかは忘れてしまいましたが、そこでの芦田愛菜さんのお話の内容が頭によぎりました。その映画は、『星の子』という映画で、原作は、先日北守谷公民館で開催された「中学生ビブリオバトル」において、けやき台中学校の生徒がお薦めの本として紹介した本です。

 芦田愛菜の話した内容は、「信じること」。この映画のテーマでもあるとのことでした。彼女は、人を信じるということについて、「人を信じるということは、その人自身を信じているのではなく、自分が理想とするその人の人物像に期待してしまっていることなのではないかと思います。だからこそ人は、裏切られてしまったとか言うけれど、それはその人の見えなかった部分が見えただけであって、その際に、「それもその人なんだ」って受け止めることのできる、揺るがない自分でいることが信じられることなのかなあと思います。でも揺るがない自分の軸をもつことはすごく難しい。だからこそ人は信じるって口に出して言って、不安な自分がいるからこそ、成功した自分や理想の人物像にすがりたいんじゃないかなって思いました。」と話したとのこと。

 私は、この話を聞いて、とても驚き、哲学的思考に入りました。高校生の彼女は発した話。私が高校生の時、こんな深い考えをもっていたかなあと、感心しました。私は大人になってからやっと、「信じる」ということについて、おぼろげながら考えを深めることができました。その考えは、方向としては芦田愛菜さんと遠からずというところでしょうか。

 「信じる」ということは、その人、ものに対しての信頼に加え、自分の願い・望みを加えたものだと思います。昔、「2人の間の人間関係」というものは、片方だけがいい、悪いというものではなく、お互い様である、と聞いたことがあります。まさに「信じる」ということもそうなんだろうと思います。そして、彼女が語った自己の内面。「揺るがない自分の軸をもつ」という言葉、まさに日々心に留めておきたい言葉だと思います。私は、ブレブレの軸の振動を止めようと握りしめ、その振動でブルブル震えてしまうこともあります。

 「信じる」とは、人それぞれにさまざまな場面で対峙する自己の感情。この複雑な社会の中において、何事も信じながらゆったりとした生活をしたいものです。そのためにも、皆が、自分と周りの人に優しくなれることが大切だと思います。

 余談ですが、今年夏前に芦田愛菜さんは、名優の宮本信子さんと11年ぶりの共演を果たしました。共演した映画『メタモルフォーゼの縁側』はとても評判のいい映画ですが、残念ながらまだ観ていません。しかしながら、11年前の共演映画『阪急電車〜片道15分の奇跡〜』は私のお気に入りの映画です。誇張ではありませんが、50回以上は録画したものを観ています。原作は有川浩(現在は有川ひろ)さんで、人間模様をテーマにした奥深い物語です。原作も、映画もお薦めです。
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