チーム守中コラム〜人のつながり

画像1
 今年、北海道日本ハムファイターズの監督となり、さまざまな話題を振りまいた、新庄剛志さん。幼き頃からファイターズファンの私にとっては、複雑な1年でした。奇想天外ともいうべき彼の言動は、多くの人を惹き付けました。彼の現役選手時代の有名なエピソードの中に、「敬遠した球をサヨナラヒット!」というのがあります。相手は巨人の完全試合男の槙原寛己さん。実は新庄さんはそのドラマの前、8回裏に同点ソロホームランも打っています。

 そして延長12回裏1死一、三塁の場面。甘い敬遠球を思いっきり叩き、レフト前サヨナラヒットを打つのです。この劇的な試合は、プロ野球ファンに、未だに語り継がれています。

 そして、このお話には、「人のつながり」のエピソードがあります。敬遠の球を打ち返した選手は、新庄選手だけではありませんでした。なんと彼が師と仰ぐ、柏原純一さんという方も敬遠の球を打ち返しています。柏原さんは、阪神タイガースに新庄さんが入団した時のコーチでした。実は柏原さんは、現役時代、「親分」と呼ばれた大沢監督率いる日本ハムファイターズの4番バッターで、私の憧れの存在でした。「4番、ファースト、柏原」という、アナウンス嬢の声は未だに忘れずに心に刻まれています。


 その昔、柏原さんは、西武の永射投手の敬遠の球が甘くなったのを見逃さず、思いっきり叩いて、なんとホームランにしてしまったのです。

 この師弟関係の二人、豪快さでも共通するものがあったようです。今は申告敬遠というルールがあり、こんなドラマチックなシーンは生まれないのがなんとなく残念です。

 よく、「先人の真似をしろ」といいます。私は、先人が行ったよいことを模倣することは、とても効率的で、スキルアップにも結び付くものだと思います。しかしながら、真似しようにもなかなかできないこともあります。その点では、新庄さんと柏原さんは、本当に奇妙な縁でつながっているのかも知れません。人と人とのつながりは、奥深いものです。
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31