チーム守中コラム〜菌との戦い

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 私が以前,会社勤めしていたときに,第一種圧力容器取扱主任者として取り扱っていた大きな圧力鍋。この圧力鍋,圧力容器は,製品を滅菌するために使っていました。いわゆるオートクレーブ滅菌と呼ばれる滅菌方法に使っていました。この滅菌法は,水に濡れてもいい製品を,大きな圧力容器で目安として121度、2気圧の状態で20分程度行います。製品を滅菌する際,その容器にインジケーターと呼ばれる,菌を付着させたものを一緒に入れて行います。インジケーターとは,対象の状態を標示する装置等や,その状態を知る手がかりとなる指標などのことを言います。これは何かというと,その滅菌方法に対して,一番強い菌をインジケーターとして使い,後で培養して死滅したことを確認し,その滅菌操作を保証するというもので,熱に強い好熱性細菌を使っていました。このように,人類は技術を発展させ,菌と戦ってきました。

 「滅菌」という言葉については,次回以降に他の言葉とともに説明したいと思います。ちなみに「菌」とは,「細菌(例:大腸菌,黄色ブドウ球菌)と真菌(カビの仲間)」のことで,ウイルスとは違います。ウイルスは,細胞という単位をもたず,自ら増殖することができません。他の生物の細胞に入って遺伝情報を組み込み,増殖するウイルスは,生物ではないという研究者が多いですが,遺伝情報をもっているということから,生物学的存在とか,非細胞生物という,生物に準じたような分け方で呼ぶ学者もいます。
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