チーム守中コラム〜うどん

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先日,テレビでうどんの特集を観ました。うどんといえば香川県。両親が愛媛県出身で,ばあちゃんが晩年住んでいたのも香川県高松市。そんな縁で,うどんは昔からたくさん食べていました。高松市の繁華街,瓦町は,今もかもしれませんが,70年代後半当時は,うどん屋さんで一杯でした。

 小学校からの親友の雄ちゃんと,苦しい浪人時代を経て大学入学を決めた春先に,二人で四国一周の電車の旅をしました。岡山駅から小一時間電車に揺られて宇野駅まで行くと,我々は連絡船に乗り込みました。今は亡き,宇高連絡船です。宇野と高松を結ぶ航路,宇高とは面白い名前だと子ども心に思っていました。連絡船に乗り込むと,私は雄ちゃんにこの連絡船内のうどん屋さんのうどんが最高に美味しいんだと話しました。それを聞いた雄ちゃんは,特にうどんに興味があるわけでもなく,「そうなんだ〜」と軽く返事をする程度でした。

 船が動き出し,早速二人はうどん屋さんへ。素うどんを並んで食べました。横で食べていた雄ちゃんの表情がみるみる変わり,「これはうまい!」とあっという間に平らげ,雄ちゃんは二杯目を注文していました。食を済ませ,二人でぼーっと海を眺めていると,突然雄ちゃんがいなくなりました。トイレかなと思っていると,そのうち沈んだ面持ちで雄ちゃんが帰ってきました。話を聞くと,なんと雄ちゃんは三杯目のうどんを食べに行ってたのです。しかしながら,人気のうどんは売り切れ。海を観ながらしばらくは雄ちゃんの後悔を聞いていました。立て続けに三杯食べればよかったと。

 昨今,新型コロナウイルス感染拡大の懸念から,帰省に関しての自粛や慎重論が出ていて,東京の飲食店では,地元を思い出させてくれる品物を出すキャンペーンをしているとのこと。あの連絡船のうどんは,今でも親友を感動させた,最高のうどんとして心に残っています。

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