チーム守中コラム〜批判→感謝

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現在の情報化社会においては,人を「批判」することが非常に多く,批判の言葉などをSNSでよく目にすることがあります。「批判」の意味は,「検討を加えて,判定・評価すること。また, 人の言動や行為などの間違いや欠点を指摘し,正すべきであるとして論じること。」です。私見ですが,最近の批判は,検討を加えたり,正すべき意見もなく,ただただ人に文句を言っているものが多いように思います。人と人がぶつかり,キシキシと音を立てているように感じてしまいます。

 そんなことを思っていたある日,テレビで観たコマーシャル,「ACジャパン 寛容ラップ」。コンビニの会計には長蛇の列が。先頭の御高齢の婦人が慌ててお財布から硬貨を取り出そうと焦っていると、後ろの強面の男声が、「アンタのペースでいいんだ,何も気にすんな。」とラップで話し、店内がラップのステージに。「一人一人にリスペクト、たたくより、たたえあおう〜」 ・・・初めて観たとき、感動で涙ぐんでしまいました。私も常にこの気持ちをもって生活せねばと、肝に銘じました。

 「リスペクト=感謝」という点で、このような話も心に留まっています。元日本ハムの投手として活躍し,アメリカ大リーグの経験もある,プロ野球解説者で日本代表チームコーチの建山義紀さんは,少し前にメッセージ動画を配信しました。私たちは,私たちの身近にいる「命を支える人」「生活を支える人」「社会を支える人」に対し,感謝の気持ちを抱いた瞬間があるのではないだろうか。心から感謝したい。そして,これまで通りの日常生活を送れず,ストレスの多い今,商品が買えなかったりすることで,店員ににクレームをつける人もいる。このような心ない行動に対して,建山さんは強く訴えています。ちょうどコロナ禍の始まりでマスクやティッシュが品薄で、皆が困っているときの話です。

「私は希望の商品がなかったり,会計を待たされたりなどの状況で,店員さんに強く怒りをぶつける人を絶対に許しはしません」「こんな状況だからこそ,お互い人を思いやる気持ちをもち,みんなで力を合わせて苦境を乗り越えていきたいと思います。」建山さんは,「感謝」の気持ちを大切にと強く訴えています。よく,ベストが見付からない時は,ベターを模索しよう,という言葉がありますが,今は何がよくて何が悪いかも分からない不安がうごめいています。「批判」のエネルギーを「感謝」のエネルギーに転換できる,しなやかで柔らかくてかっこいい心をもちたいものです。

 ちなみに私は,建山さんの大ファンで,現役時代のダイナミックなサイドスローから剛球を繰り出す姿をいつも応援していました。解説者としても,落ち着いた優しさをもった理論的な解説は,とても素晴らしいです。
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