チーム守中コラム〜落とし穴

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 人はついつい気を緩めてしまったときに失敗をしてしまうと,「気が緩んでしまったから,思わぬ落とし穴にはまった!」なんでことを言ったりします。確かに,自分から好んで落とし穴に入る人はいないと思いますので,「思わぬ,思わず」と言ったところなのでしょう。そして大切なのが,この「落とし穴」にはまったときに,どうしてはまったのか,どうすれば脱出できるかを冷静に考え,自分に生かすことがその先の人生に生かされると思います。

 私は日本プロ野球の北海道日本ハムファイターズの大ファンで,特にいぶし銀の味を出している貴重な左の中継ぎ投手である,宮西尚生投手の大ファンです。彼は,ホールド(中継ぎ),とホールドポイントにおける世界記録保持者です。先日,800試合登板を果たした大投手です。一昨年まで13年連続50試合登板を果たしている鉄人が,昨シーズンにおいては試合の勝敗を分ける大切な局面で打たれることが多く,ついには登録抹消となってしまいました。

 彼の話によると,昨シーズン前は,過去に手術もした肘の状態も良く,全般的に好調なコンディションであったそうです。凄い話ですが,3年前,肘の手術後の登板の際は,「いかに肘が痛くならない,負担の掛からない腕の振り方になるか,いかに球威の落ちた球で相手打者を打ち取るか」を,一球一球考えながら投げていたそうです。確かに当時の解説をしていた岩本勉さんも,腕の振り方についてそのような話をしていました。

 自分では,コンディションがとてもいいので,「落とし穴」にはまってしまうかも,と考えていたところ,見事にはまってしまい,悔しい気持ちを通り越して失望してしまったそうです。

 「調子がいいと,力任せに腕を振り,いつの間にか前のめりになってしまう。」,「腕の角度とか,間とかの繊細さがなくなってしまった」・・・彼が話す内容は,野球人ではない私の胸に突き刺さりました。まるで人生の教訓をいただいたように思います。

 人生には,誰にも「落とし穴」が存在し,それとの向き合い方が人生を左右すると言っても過言では無いと思います。彼は20歳以上歳下ですが,人生の師として尊敬しています。そんな彼は昨日も登板し,見事ホールドを記録しました。引き続き熱く応援したいと思います。
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